殺戮都市~バベル~

恵梨香さんと吹雪さんは、俺が眠ってしまった後に話をしていたらしい。


西軍に雪子さんがいる事、俺の仲間の奈央さんが捕らえられている事。


二人にとって、奈央さんの事はついででしかないだろうけど、塔に向かう仲間を探しているのなら、雪子さんはきっと戦力になる。


そう判断して西軍に行こうとしているんだろうな。


ビルの屋上に出て、西軍の方にある光の壁に向かう……のかと思ったら、塔の方を向いている。


「あれ?西軍に向かうんですよね?あっちじゃないんですか?」


西軍側の光の壁を指差した俺に、腰に手を当てた恵梨香さんが、呆れたように返事をした。


「戦闘中でもないのに、どうやって光の壁を越えるつもりだ?通常の状態でも、他軍の陣地に入る方法を教えてやる」


そんな方法があったのか。


もしもそうだとすれば……俺が東軍に行く事も出来るんじゃないか?


総力戦で理沙が来なくても、俺から探しに行けるじゃないか。


それにはまず、もっと強くならないと。


恵梨香さんのように、人一人守るくらい俺がいたら大丈夫と言えるくらいに。


「では行くぞ!少年!遅れるなよ!」


「まあ、100メートル離されなかったら良い方かな?頑張れ頑張れ!」


二人がそう言った後、俺は日本刀を抜いて塔を見上げた。


「はいっ!!お願いします!!」