振り返って見ると、そこにはライダースーツを着た恵梨香さんの姿。


さっきはまだ寝ていたのに……来るの早くないか?


「二人がどこに行ったのか、PBMで調べてみたら、随分ゆっくりと移動していたもんだな。簡単に追い付けたぞ」


「もう!恵梨香が少年の刀を壊さなきゃ、すぐにここまで来れたんだよ?わかってる?」


「む?そう言えばそうだったな」


いや、遅いとか早いとか、そんなのはどうでも良い。


恵梨香さんの言う通り、埋葬する場所なんてないし、遺体を持ち運ぶ事は出来ない。


結論はわかっているのに……反論の余地がないくらい追い込まれると、逆に何とかして道を探したくなる。


「少年、良い?キミはこれからどこに行こうとしているの?死んだ人を連れたまま、捕らえられた人を助けに行くつもり?」


「そ、それは……」


吹雪さんの言葉で、俺は考え込んでしまった。


もしも……新崎さんを連れたまま奈央さんに会ったらどうなるだろう。


きっと悲しむに違いない。


死んだなら、言葉だけで伝えた方が悲しみは少ないかもしれないな。


もしも俺なら……大切な人の、理沙の死んだ姿なんて見たくはないと思うから。