殺戮都市~バベル~

俺はなぜそんな事をしたのだろう。


もうすでに、理沙は別の男に抱かれていて、それでも俺のものにしたいと精一杯の主張をして見せたのか。


理沙はどうだ?


俺の事が好きだって言ってくれたけど……本当にそう思ってくれているのかな。


敵軍の人間だから……知り合いだから、殺されない最善の「努力」をしているだけなんじゃ。








……なんて思う俺はゲスかよ。


信じられるのは自分だけ。


この街での常識がそうだとしても、好きな人を信じられないでどうするんだよ。


もしも……この後、理沙が武器を取り出して俺を殺そうとしても、それはそれで受け入れよう。


その時は、今言った全ての事が嘘だったんだと。


夢でも見ていたんだと思えば良いから。












「……何だか、不思議だね。ずっと、まともに話もしてなかったのに、こんな事してるなんて」










だけど、理沙はそんな素振りも見せずに、唇を離してそう呟いた。


俺は、ずっとこうしたいと思っていたけど……改めて言われると確かに不思議な気分だ。


この街に来なければ、俺達はこんな風になれなかったのかな?


いや、元の世界では、ダメだった時に傷付くのが怖くて、何も出来なかっただけだ。