殺戮都市~バベル~

「……怒ってないから、安心してね?」


考え込んでいる俺に、理沙がボソッと呟いた。


「私達、敵だもん。真治が二人を殺しても、それは仕方のない事なんだよね。恨みとかそんなんじゃなくて、殺さなきゃならない運命なんだから」


その言葉に……俺は頭をガツンと殴られたような衝撃を受けた。


俺よりも長くこの街にいる。


だから、そういう考えになっても仕方がないのだろう。


でも……正義感が強くて、優しかった理沙が、こんな事を思ってしまうのか?


この街での一ヶ月は……人の死すらも「当然」と思わせてしまうのか!?


「ち、違うだろ……理沙、それは違うだろ!運命なんて言葉で感情を捨てるなよ!人が死ねば悲しいし、大切な人が殺されれば憎しみだって生まれるだろ!?殺した俺が言うのも何だけど……理沙はそんな女の子じゃないだろ」


理沙の肩を掴んで俺から離し、想いをぶつけるように言った。


「そんな事言ったって……それがこの街で生きるって事なんだから仕方ないじゃない!!生きる為に人を殺して、守ってもらう為に色んな男の人とセックスして!それでやっと生きていられるんだよ!?私は……真治が思ってるほど強くなんてない!」