殺戮都市~バベル~

いや、そんな事よりも気になる事は……。


「あ、あなたは誰なんですか?」


拾い上げた日本刀の柄を握り、一歩後退して俺は男性に尋ねた。


いきなり攻撃しないところを見ると、危険な人間ではないようだけど安心は出来ないから。


「ああ、そうだね。俺は新崎一馬。ほら、君と同じ南軍の人間さ」


そう言い、左の服の袖を捲くって、手首を俺に見せる。


この人……手首が赤く光ってる?


俺と同じという事は、もしかして俺も?


慌てて左の手首を見てみると……俺の手首も、この男性と同じように赤く光っていたのだ。


「とりあえず下に行こうか。この街の事を教えてあげたいし、PBMの使い方もまだわかってないだろう?」


ドアの前で手招きをする、この新崎という男性。


正直な話、俺が何に巻き込まれているのかすらわかっていないし、教えてくれるというのはありがたいんだけど……。


なんて、考えていても先に進まない。


「あ、明美さんがいるなら会わせて下さい」


「そのつもりだよ。そうしたら、俺の事を信じて警戒を解いてくれるかな?」


日本刀をいつでも抜けると言わんばかりの、俺の右手を指差して、男性は笑って見せた。