殺戮都市~バベル~

仲間を殺した俺に怒りもせずに、まだ完全に傷が癒えていない身体を起こそうとする理沙。


「ま、まだ治ってないだろ!?寝てろよ」


「良いの……でもごめん。起きるの手伝ってくれない?」


怪我してたら辛いだろうに。


俺は理沙の脚をベッドから降ろして、首と背中を抱えるように起こした。


「ありがとう。真治はいつも優しいね」


「そんな事……ないだろ」


優しかったら、こんなに簡単に人なんて殺してないって。


寝ていたのが理沙だったから殺さなかっただけ。


信念も何もない、ただその時の感情だけで場に流されてるだけなんだよ、俺は。


「んーん、真治は昔から優しいよ?私は知ってるんだから」


これが、敵同士の会話なのか?


敵だ味方なんて、ゲームに登録する時に選んだ軍で決められた事なのに。


そんな事を考えていると、理沙が俺の肩にもたれかかる。


突然何が起こったんだと、ドキッとしたけど……。


「ごめんね、やっぱりまだ起きるの辛くて……真治は優しいから、もたれても許してくれるよね?」


理由はそれだったか。


理沙が触れている右半身。


そこだけがやけに緊張している。