殺戮都市~バベル~

足音を立てないように……ゆっくりと。


どこの部屋からも物音が聞こえない。


恵梨香さんくらいなら、人の気配を感じる事も出来るのだろうけど、こうも静かだとどこに潜んでいるかもわからないな。


303の部屋の鍵を持っていたからって、そこだけに人がいるとは限らない。


全てのドアから、人が飛び出して来ないかと警戒しながら歩いて……303部屋の前。


拍子抜けするくらい簡単に来る事が出来たな。


まあ良いか。


でも、このドアを開けたら敵が襲い掛かって来るだろうな。


それも、何人いるかもわからない。


俺は、ゆっくりと鍵穴に鍵を差し込み、それを回しながらドアを押した。


しかし、ドアは少し開いた所で動きを止めた。


中から……U字ロックがかかってる!?


「知宏?……違う、誰!?」


中から聞こえた女性の声。


まずい!


何人いるか知らないけど、気付かれた!


慌てて日本刀でU字ロックを叩き割って、部屋の中に飛び込んだ。


ベッドサイドの、ぼんやりとした光が部屋を染めている。


敵は……女性一人!


三日月のような形の武器を構えて、女性は素早く俺に迫った!