殺戮都市~バベル~

「ハァ……ハァ……あ、危なかったぁ……」


道の端に移動した俺を、誰も襲おうとしなかったという事は、皆俺が味方だって認識してたんだな。


逃げた俺がバカみたいだ。


嵐が通り過ぎた後のような、ちょっとした寂しさを感じる。


光の壁から侵入して来る人も、ビルの階上から狙っていた人達も、もうほとんど姿が見えない。


内部に誘い込んで、追い立てるように戦う南軍の戦い方は……ここからが勝負という事かな。


「ふぅ……それじゃあ、俺も無理せず頑張ろうかな」


折れた日本刀。


恵梨香さんが言っていた、性能が半分になるという意味も、身を持って理解した。


普通なら、気付かれもしないだろう懐への飛び込みも、最初に殺した男は移動した事に気付いていた。


日本刀の斬れ味も、身体能力も、目に見えて落ちている事がわかる。


まあ、それでも、武器レベルが1の時よりは全然マシなんだけど。


こんな時に、熟練した星4レアの人にでも出会ったら……間違いなく俺は死ぬよな。


光の壁をチラリと見て、もう後ろには誰もいないというのを確認し、俺は南軍の中心部に向かって歩き始めた。


強いやつと遭遇しませんようにと、祈りながら。