殺戮都市~バベル~

「す、すまない。痛かったか?ついうっかり握っているのを忘れてしまってな……」


いや、そんな事忘れるか?


何だか、想像していたよりもずっと天然なのかもしれないぞ。


「だ、大丈夫ですよ。恵梨香さんは一応女性ですしね。戦ってなければ、そんなに力も強くないし……ゴリラみたいな人だったら、腕が潰れていたかもしれませんね」


ハハッと笑って、精一杯の冗談を言ったつもりだったけど……死神はムッとした様子でヘルメットに手を当てた。


「美人とは言わないが……ゴリラではないと思うぞ?どうだ?誤解は解けたか?」


初めて見る死神の素顔……綺麗なブロンドの髪が、外灯の明かりに映えて、白い肌を輝かせて見える。


それに……思わず見とれるくらいに綺麗だった。


「……や、やっぱりゴリラに見えるか、そうか……」


シュンとした表情を浮かべて、俯いた死神に、俺は慌てて首を横に振った。


「な、何言ってるんですか!ゴリラだなんて……いや、物凄い美人で驚いて……」


「な!お、おだてても何も出ないぞ!?私が美人などと……この街で一度もそんな風に言われた事がないのに!」


それって、ずっとヘルメットを被っていたからじゃないの?


やっぱり、少し天然な所があるような気がする。