脚が震える……手も、身体も。


ガタガタと刃が揺れながら、それでも死神の次の一撃に備えて。


「……身体は正直なようだな。だが、それで良い。強くなって恐怖を知り、また強くなる。恐怖を知らずして強くなった者に芯などない。その点では、少年は見込みがあるぞ」


最初から最後まで、ずっと俺に何かを教えているようだ。


死神が言った事は、きっとこの街の全てなのだろう。


いくら俺の考え方と違っても、強い者の意見が通るのなら、それが正しい事なのだろう。


負けるという事は、意見を否定されるという事。


だけど、三笠の死すらも……そうなって当然だったと言われたくはない!


「俺は……間違ってない!!」


強い気持ちで声を上げたけど……それは、死神からすれば、思い通りにならなくて駄々をこねる子供のように見えただろう。


その言葉で、ピクリと動いた死神の手。


来る!













そう思った時には、死神のトンファーが俺の頭部に迫っていた。


反射的に日本刀で防御したけど……刀身の背が頭部に当たり、さらに押し込まれるように振り抜かれたトンファーの衝撃で……。










日本刀は折れ、俺の意識をも吹っ飛ばしたのだ。


手も足も出ず、防戦一方で負けた俺は……全てを否定された。