いつからそこにいたのか……公園の外灯の上で腕組みをした、全身黒い女性。


ドクロが浮かび上がるヘルメットとくれば……。


「死……え、恵梨香さん」


俺がそう呟くと、小さく頷いた死神が、華麗に回転しながら外灯から飛び降りた。


「黙って見ていれば、さっきから甘い事を……あいつを、二度と逆らえないように徹底的に叩きのめさなければ、その少年Bはまた同じ目に遭うだろう」


三笠を指差して、小さく首を横に振った。


「そ、それは……でも、腕と脚を斬り落としたんだから……もうしないと思います。それに、三笠を別の場所に連れて行けば……」


正直な所、俺は三笠をどうしたいのだろう。


嫌なやつで、学校ではやたらと俺に突っかかって……この街に呼ばれたのはこいつのせいだと思ったのに、こいつは知らなくて。


死にそうになって、仲間に見捨てられたのを放ってはおけなかった。


「それが甘いと言っている!少しはやるようになったと思ったが、心は成長していないようだな。あいつを殺せ。そしてその少年Bの望み通り……殺してやれ!」










こ、この人は何を言ってるんだ?


本当に、オークション会場を襲撃して、女の子を助けた人なのか?


俺には、言っている事とやっている事が全然違うとしか思えない。