殺戮都市~バベル~

その名前に……俺の心臓がドクンと音を立てた。


ピリピリと身体の内側から皮膚を刺激するような不快感。


俺は……怒っているのか?


この感覚は、キレる寸前に似ている。


頭の中が真っ白になって、何をしているのかわからなくなる。


だけど、まだキレてるわけじゃない。


「忘れてたな……三笠拓也。どうして俺をこの街に呼んだんだ」


元の世界では、俺に対して嫌がらせをしていたムカつくやつだ。


どうせこの街でも、適当な仲間を見付けてバカな事をやっているんだろう。


見付けて……一発ぶん殴ってやる。


お前がこの街でどれだけ暴れているか知らないけど、俺だって強くなったんだ。


今なら、お前にだって何でも言える!


ビルの中に入り、階段を駆け下りながら、そんな事をずっと考えていた。


そこに、三笠がいてほしいと思う気持ちと、いてほしくない気持ちが混ざり合って。


ビルを出た頃には、怒りがふつふつと湧いて、俺の顔は鬼のような形相になっていた事だろう。


PBMの反応は……動いてない。


あいつの出方によっては……俺は殺してしまうかもしれない。


今までの怒りが爆発しない自信は……全くなかった。