殺戮都市~バベル~

5時間もここに立ってた内藤さんが知らないなら、この辺りにはいないのかな。


吹雪さんだけじゃなく、死神のIDも教えてもらえば良かった。


「どこにいるんだろうな。全身黒だから、闇に紛れちゃうんだよな、あの人。ありがとうございました内藤さん」


そう言って立ち去ろうとした時だった。


「待てい!真治君!そのダイナマイツを見掛けたら連絡するから、IDを教えてくれ」


内藤さんの思いも寄らない申し出に、俺はPBMを取り出してプロフィール画面を開いた。


「えっと……『401146』です。本当にありがとうございます!」


「よし、登録した。その代わり、ダイナマイツを真治君が見付けたら、俺にも教えてくれよ!」


グッと親指を立てて満面の笑みを浮かべる内藤さん。


……それが目的かよ。


でもまあ、見付けたら連絡してくれるなら、ありがたいから良いか。


「お、お願いします!総合ランキング1位の北条恵梨香っていう人です!死神って通り名の人ですからね!」


内藤さんが向いている方に行っても仕方がない。


俺は、それとは逆方向のビルに向かって移動を始めた。


こんな広い街で、吹雪さんや内藤さんと再会出来たんだ。


きっと死神とも会えそうな気がする。