殺戮都市~バベル~

あまり距離のある場所は飛ぶ事が出来ない。


なるべく幅が狭い場所を選んで、テレビや漫画の中のヒーローのように飛び回る。


今まで出来なかった事が出来るようになるのは気持ちが良い。


俺が最初からこれくらい強ければ……復活してすぐに武器を強化していれば、新崎さんは死ななくても済んだかもしれない。


力不足が、仲間の死を招いてしまったんだ。


そう考えると、仲間を守るなんて大口を叩いて何も出来ない俺も悪いんだと思ってしまう。


そんな暗い気持ちを晴らすように、どこに行くというあてもなく、俺はビルからビルへと移動していた。


しばらくして……視界の前方、貯水タンクの上に立っている人影に気付いた。


腕組みをしている、背の高い人。


全身白色で、やけに首が細い……って、あれはもしかして!


急いでその場所へと近付くと、やっぱり間違いない。


白鳥の着ぐるみ、露出した腕と脚。


ムダ毛処理を一切せずに堂々としたその姿は……。


「フッ、随分と腕を上げたようだ。姿を見なくても、キミの強さがヒシヒシと伝わって来るぞ!健太君!!」


振り向きざまに俺を指差して、奇妙なポーズを取る内藤さん。


「いえ……真治です」