殺戮都市~バベル~

俺、何かおかしな事を言ったかな?


元の世界に帰れる可能性があるなら、誰だって協力してくれると思うけど。


「例えば、さっきの池田ってやついるでしょ?きっとあいつは、元の世界では今と変わらずバカやって、ムカついたら暴れるようなやつだと思うの。でもそれは、元の世界では犯罪でさ、ここでは罪に問われないの」


吹雪さんに言われて、俺はハッした。


そうか、この街ではどんな暴力も許される。


それどころか、あらゆる犯罪が罪に問われないんだ。


コンビニでの万引きは出来ないけど、それ以外の店では、何を取っても誰にもとがめられない。


「つまり……何をしても許されるこの街から、抜け出したいと思わない人もいる……って事ですよね」


「そういう事。だってそうじゃない?本当は何の取り柄もないごく普通の人なのに、運良く強力な武器を手に入れたら強くなれる。少年もそんな一人なんじゃないの?」


否定は出来ないな。


そりゃあ、最初は戦うなんて嫌で、人を殺す事に抵抗があったけど、大切な人を守る為だと自分に言い聞かせて何人も殺して来た。


当たり前だと思ったその行為は、元の世界では当然犯罪なわけで……俺はそれを普通にやっているんだよな。