殺戮都市~バベル~

「やぁー!畳だ畳だ!ひっさしぶりぃ!」


部屋に入るなりゴロンと畳の上に寝転んで、右に左に転がる吹雪さん。


うん、自由だ。


まるで子供みたいにはしゃぐ姿は、とても俺より年上とは思えない。


「うん?どうしたの少年。そんな所に突っ立ってさ。少年も寝転がりなよ」


「い、いや……吹雪さんが真ん中で寝てるから、俺のスペースが」


四畳ほどの小さな部屋。


その真ん中で大の字になられているんだもんな。


「ああ、そうね。じゃあ半分使いなよ」


「ど、どうも……」


部屋の半分を空けてくれて、バンバンと畳を叩く。


俺はそこに座って、フウッと溜め息を吐いた。


「ふぅん……なかなか良い表情を見せるようになったねえ。やっぱり、仲間との決別が少年を大きくしたかな?」


ついさっき起こった事を、平然と言うんだな。


かさぶたにもなっていない傷を突くような行為だと思わないのか。


「大きくなったかどうかなんてわかりませんけどね。はっきりしているのは、俺が戻る所なんてもうどこにもないって事だけですよ」


あの拠点も、池田が待ち構えていないとも限らない。


俺は、PBMを取り出して、とりあえずホームポイントをこの場所に変えた。