殺戮都市~バベル~

その瞬間……俺はこの行動が間違いだったと気付いた。


いや、この行動がというよりも、チュートリアルが終わって、すぐに移動しなかった事が間違いだったんだ。


チラリと俺を見た化け物は、明美さんを掴もうとした腕を横に振り、まるで虫でも振り払うかのように俺を払い除けたのだ。


強烈な痛みが、俺の胸部に走った。


ボキボキッと、身体の中から音が聞こえて、道の脇にある金網のフェンスに直撃して動きを止めた。










痛い……痛くて叫びたいけど、息が出来ない。


のたうち回りたいのに、身体に力が入らない。


いっそ、気を失ってしまえば楽なのに、目だけはしっかりとその光景を映し出している。


明美さんは化け物に掴まれて、そのまま、大きく開いた口へと運ばれた。


「い、嫌だ!やめて!お願い!お願いぃぃぃぃ!!やめっ……」


明美さんの声と、バキッという骨を砕く音が聞こえて、鬼頭と同じく、その身体は首を失ったのだ。


だけど……鬼頭の時とは違う点が一つ。


化け物に食われた明美さんの身体は、光の粒へと変わり、空気中に溶けるように消えてしまったのだ。


この違いは……一体何なんだ?