殺戮都市~バベル~

その後、何とか吹雪さんに引き上げてもらい、同じ要領で次々とビルの屋上を移動した俺達。


200メートルほど移動した所で、もう大丈夫だろうという事で、ビルの中に入った。


「いやあ、人が集まってるから何事かと思ったら、少年がいるんだもん。びっくりしちゃったよ」


階段を下りながら、ケラケラと笑う。


「びっくりしたのは俺の方ですよ……どうして吹雪さんがいるんだって。死神……恵梨香さんは一緒じゃないんですか?」


「んー、またはぐれちゃってさ。ほら、恵梨香って方向音痴じゃない?一度はぐれると、なかなか会えないわけよ」


いや、方向音痴じゃない?って言われても知らないし。


方向音痴のくせに動き回りそうだもんな、あの人は。


「誰も……いなさそうなビルだね。この部屋でちょっと休憩して行こうか」


そう言って指差したのは、「仮眠室」というプレートが掲げられた部屋。


確かに……疲れたな。


大切な人を、西軍に置き去りにして、仲間に殺されて。


俺の初めての仲間は、バラバラになってしまった。


怒り、悲しみ……吹雪さんに再会して落ち着いたけど、どんな感情を持てば良いのかがわからなくなっただけかもしれない。