殺戮都市~バベル~

「良い?私が先にやって見せるから、付いて来るんだよ?少し離れて助走を付けて……こうっ!」


見た目に似合わず、凄まじい速度で柵に向かって走った吹雪さん。


軽く飛び上がって柵を踏み締め、僅かな溜めの後、柵を蹴るように飛んだ。


まるで虹でも架かったかのような綺麗な放物線を描いて……軽やかな跳躍で、隣のビルに飛び移ったのだ。


「ほら、ポイントは柵を蹴る時に力を足に集める感じだよ!あ、武器を出すのを忘れないでね!」


隣のビルから、俺を応援するように手を振る。











無理に決まってるだろ。












日本刀を持ったまま助走を付けて、柵を蹴って飛べ?


この人、俺を殺す気だ。


だけど……この道を選ばなかったら、俺に残された道は何だ?


階段を下りて、同じ軍の人間に追われる事になるのか?


それだったら、吹雪さんが示してくれた道を選んで、自分の居場所を見付けたって良いよな。


「よ、よし……やってやる!!」


意を決して、柵から離れた俺。


柵と隣のビルだけを見ろ。


下を見てしまえば……絶対にビビってしまう。


吹雪さんが待ってくれている隣のビルに向かって……俺は駆け出した。