殺戮都市~バベル~

鬼頭の頭を食って満足したのか、それとも俺達がまだいるからなのか、掴んでいた身体を道の脇に投げ捨て、牙を剥いて俺達の方へと向かって来る。


に、逃げなきゃ……逃げなきゃ食われる!!


「こ、来ないで!」


逃げ出そうとした俺の横で、化け物に向かってボウガンを撃った明美さん。


だけどそれは、化け物の体毛に当たって、勢いをなくして地面に落ちた。


「あ、あ、あ、あ、明美さん逃げて!!」


腕をグッと引いた後、すぐに手を放して、俺は背中を向けて駆け出した。


「し、真治君!?嘘、待って!!待ってよ!!」


こんな化け物を相手にして生きていられるはずがない!


だけど……。










「ああっ!くそっ!!」









食われたくはないけど、待ってと頼まれたら断れない、馬鹿な性格が災いして、俺は日本刀を抜いて振り返った。


ガタガタと全身が震えている。


逃げる明美さんを追って、化け物が手を伸ばしている姿を見て、震える手で日本刀を振り上げた。


さっきと同じようにやれば良い!


半ば混乱しながら、ヤケクソ気味に飛び掛かり、化け物の腕を目掛けて日本刀を振り下ろした。












でも……日本刀は、化け物の体毛を何本か切っただけで、腕を斬り落とす事は出来なかったのだ。