「死ねっ!クソガキが!!」
池田の声と共に放たれたパンチが、俺の前髪に触れた。
その瞬間、グッと地面を蹴り、後方に飛んだ俺から池田の拳が離れる。
その距離、30センチほどの僅かな隙間だったけど、これで十分だ!!
池田の速度よりも、俺の速さが上回った。
拳を迎え撃つように日本刀の刃を向けて。
着地と同時に振り下ろすと、拳と共に、メリケンサックが真っ二つに破壊されたのだ。
振り抜いた拳が無残にも半分の薄さになっている事に気付いてもいないようで。
ボトッと、切断された部分が地面に落ちて、池田は慌てて自分の手を見たのだ。
「えっ!?」
状況を把握出来ない。
その小さな声から、混乱しているであろう事がわかった。
「新崎さんは殺させない!!邪魔だ!どけっ!!」
すれ違いざまに横に振るった日本刀。
それが池田の上半身と下半身を分断して、ドサリと崩れ落ちたのだ。
「ク、クソガキが……テメェは……絶対に殺す……」
背後でそんな声が聞こえ、パアッと明るくなる。
でも、そんな事はどうでも良い。
早く新崎さんを!
柵を越えて、屋上のへりに立たされた新崎さん。
今にも突き落とされそうな状況で、俺は祈るように走った。



