お、俺の日本刀を……手で受け止めた!?


並の武器なら、触れただけで破壊出来るってのに!


「あくびが出るな。その程度の力で雑魚を倒して良い気になって、俺に勝てるとでも思った?お前くらいのやつなら、この街には腐るほどいるぜ?」


男が、スッと右手を上げたのを見て、俺は慌てて後方に飛び退く。


でもそれは、俺を攻撃をしようというものではなく、ただ口に当ててあくびをしただけ。


「力の差は歴然だね……まあ、相手が相手だから仕方ないか」


奈央さんを守ると言ってくれた雪子さんまでそんな事を……。


本当に守ってくれるんだろうな!?


「あーあ。なあ、どうせなら決闘しようぜ?その方が、お互いメリットがあるだろ?」


確かに今は一対一、他に人もいないし決闘みたいなもんだけど……。


男がPBMを取り出して、俺に向けたけれど、「このプレイヤーは、決闘が解放されていません」とアナウンスが流れたのだ。


それがこの街に来て、まだ決闘が出来るほどの時間が経過していない。


「マジ?この街に来たばかりでどれだけ人を殺してるんだよ。お前、殺人鬼か?」


「ち、違うっ!俺は……俺は仲間を守る為に戦っているんだ!!」