殺戮都市~バベル~

ビルのドアを開けて外に出ると、30人なんてもんじゃない。


さらに人が集まって、40人にはなっているだろうか。




「おい、出て来たぞ!?」


「手首が赤い……やっぱり南軍の人間だ!」


「誰が殺しても恨みっこなしだからな?」




俺を見て、口々に話し始める西軍の人達。


まるで、よってたかって一人をいたぶる、いじめのような感覚なのか。


誰の顔にも余裕が見られて、俺に負けるはずがないと思い込んでいるように思える。


「ちょっとぉ!あんた達なんなのさ!人の家の前でこんなに集まって!」


ビルから出て来た雪子さんが、集まった人達に向かって怒鳴り付けた。


「あ、あんたこそ何やってたんだ!こいつは南軍だろ!?まさか、敵と通じて、西軍を裏切ってるんじゃないだろうな!あぁ!?」


どこにでも、こんなヤジを飛ばす人がいるんだな。


西軍の雪子さんが、西軍を裏切って何の得があるんだよ。


「はぁ!?何って決まってんだろ!?可愛い坊やがいたから、身体を慰めてもらってたのさ。若い子は元気があるからね」


そう言って俺の頭を抱き寄せ、大きな胸に埋めて撫で回す。


「だけどまあ……もう飽きた。次の男を探すから、あんたらの好きにしていいよ。ほら」


その言葉の通り、俺は雪子さんにドンッと突き飛ばされて、西軍の人達の前によろめきながら出た。