殺戮都市~バベル~

強烈な殺意と怒りが、女性から発せられているようで、身動きが取れない。


動けば殺される……死神からも感じた事がなかったのに、何なんだこの人は!?


「雪子さん、待って!この子達、私達がポーンに襲われてた所を助けてくれたの!その時に怪我をしたから……」


その女性を雪子と呼び、必死に説明をする里奈さん。


さっき言ってたのは、この事だったのか……。


南軍の連中を一網打尽とか言ってたし、この人は、人を殺すという事を躊躇しないタイプなのだろう。


せっかく奈央さんの怪我が治ったのに……俺達はここで殺される!


汗が額にふつふつと噴き出て来て、タラリと頬を伝って流れる。


里奈さんの話を聞いて、「ふぅん」と小さく呟きながら、日本刀を肩に担いで俺に近付いた。


「こーんな、ひょろっちぃやつがポーンをねえ?見た目と強さは関係ないけど、三葉ちゃん、本当の話?」


俺を指差して、雪子が三葉さんに尋ねる。


「う、うん。ちょっと危なっかしい戦い方だったけど、追い払ってくれたよ」


その言葉を聞いて、不思議そうに首を傾げて俺の顔を覗き込んだ。


そして……。










二カッと笑みを浮かべて、その大きな胸を俺の顔に押し付けるようにして抱き付いて来たのだ。