殺戮都市~バベル~

二人の隠れ家に到着して、俺は奈央さんをソファに寝かせた。


俺もその正面のソファに腰を下ろして二人を見る。


「誰にも見られてないよね?南軍の人間を助けたとか知られたら、スパイじゃないかって疑われるんじゃない?」


「大丈夫……だと思うけど。それよりも、雪子さんがどう言うかだよね……」


俺達が襲い掛からないか、という心配よりも、俺達を匿っている事に不安を感じているようだ。


「あ、あの……どうして助けてくれたんですか?俺達は敵で、一緒にいる事が知られたら困るみたいなのに」


そう尋ねると、キョトンとした表情で顔を見合わせる。


「良くわからない子だね。最初に私達を助けてくれたのは、あんた達でしょ?ポーンに襲われてるなら、漁夫の利を狙って、私も里奈もあっさり殺せたはずなのに」


そう言われると……そうなんだけど。


あれは、内藤さんがレディを助けるとか言って飛び出したから。


「そうそう。まあ、あの変態みたいな人は死んじゃったけど、助けてくれた人を殺せないでしょ。私達はこの街にいるけど、殺人鬼じゃないんだよ?」


会う人会う人、皆それぞれ考え方が違う。


それはごく当たり前の事なのかもしれないけど、この街にいる人は、生きる為に敵を殺すと思っていたから。


少し、気が楽になったような気がした。