「ギァアアアアアアッ!!」
や、やった!!
食われるかどうかって、ギリギリの所だったけど、俺にはあれしか打つ手がなかっただけに、賭けに勝ったという気分だ!
仰け反ったポーンの腹部を蹴り、日本刀を放して地面に着地する。
改めて見上げて……とんでもない化け物だと恐怖した俺は、慌てて後退。
悶え苦しむポーンが、鎖も鞭も、引きちぎろうと暴れ出す。
引き寄せられる前に、皆が武器を放したその時だった。
悶え苦しんで、逃げ去るかと思ったけど……ポーンは、暴れる勢いそのままに、一番近くにいた内藤さんに襲い掛かったのだ。
武器を放して、再び取り出すまでの僅かな時間。
まだ、首や腕に武器が巻き付いている状態で大口が、内藤さんの上半身を包み込む。
そして……。
バキバキッ!
骨を砕く音と共に、内藤さんの上半身が食われてしまったのだ。
口の中を負傷して、肉を噛み砕くのに苦痛を感じるのか、手を口に当てて、よろよろと後退し始めた。
「な、内藤さん!!」
日本刀を引き抜いて構えると、ポーンはそれに恐怖したかのように、ビクッと身をすくませて俺達に背を向けて走り去ったのだ。
去り際に……その背後にいた奈央さんを手で払い除けて。



