殺戮都市~バベル~

そんな事を思っていても、この人も俺を助けてくれたじゃないか。


人を助けるのに、敵も味方もない。


だけど……この街では、人を殺す事に理由はいらない。


それでも助けてくれた。


「ひゅう!気の強そうなレディが鞭とか、たまらないね!踏まれたい!ハァハァ」


ポーンと鎖の綱引きをしながらも、相変わらずの内藤節を炸裂させている。


そんな格好で踏まれたいとか、真性の変態にしか見えない。


女性に気を取られていた内藤さんが、鎖をグッと引っ張られて、地面に倒れた内藤さんをポーンが踏み付けた。


「ギャー!お前にじゃないー!!」


慌てて鎌で、ポーンの指を斬り付けて抜け出す。


「ふ、ふう……危ないとこだったぜ……」


なかなかタフだな、この人。


「り、里奈ちゃん!この人達と一緒に、化け物を追い払うよ!そうじゃなきゃ……私達は死ぬ!」


一度鞭を放し、再び取り出した女性が、まだ地面に座っていた女性に声を掛けた。


その声に、慌てて頷いて、なんとか立ち上がろうとする。


「ようし……良いぞ。皆で戦えば、この化け物も追い払える!」


どこからその自信が湧いて来るのかわからないけど、確かにまだ、俺達は食われていないから、追い払うくらいなら出来るかもしれない。