殺戮都市~バベル~

〜同時刻・某所~


誰もいなくなった街、光だけが灯るビル群。


人の気配がなくなり、俺が発する音以外の全ての音が消え失せたかと思う世界。


塔の頂上で、中央の柱にもたれて、使っても仕方がないPBMを弄っていた。


「高山真治様、何をなさっているのですか?」


「ん?ちょっとね。プロフィール画面は生きてるから、見てただけさ」


ここにいるのは、俺とクイーンと主だけ。


主は相変わらず眠り続けていて、話をする事も出来ない。


だから、クイーンが俺の唯一の話し相手になっていた。


「変わった方ですね。まあ、変わっていなければ、あのような選択をされなかったでしょうけれど」


「バカ言うなよ。あの選択をさせたのはお前だろ?俺には、あれしか選ぶ物がなかったじゃないか」


クイーンがあの時……最後に提示した選択肢。


追い詰められて、俺一人だけが元の世界に戻れるという選択をしてしまいそうだった時に、クイーンは言った。










「この街で死んだ全ての人を生き返らせて、あなた以外の全ての人間が元の世界に戻る……という選択肢でしょうか?私は嘘は申しておりません。全ての人間が戻る事は出来ないと申しただけです」










この言葉に、俺は騙されたんだ。