殺戮都市~バベル~

ここに俺が望む物はない。


それはわかっているはずなのに、どうしても諦め切れなくて、クイーンに刃を突き付けた。


「……理解しないのですね。そんな都合の良い取り引きなどないというのに。高山真治、私はあなたをずっと見ていました。最初は弱く、頼りなかった少年が、戦いを経て強く成長したのを。そして、敵対するこの世界の人々を率いて、この塔にやって来た事を」


だけど、俺の脅しなど、意に介さないといった様子で、宙に手をかざしたのだ。


そこに現れる、大きな窓のような物体。


それが、クイーンを取り囲むように並んだのだ。


「今、あなたが率いた者達がどうなっているか、その目で確かめると良いでしょう。ここからでは、それを知る事も出来ないでしょうから」


クイーンがそう言うと、その窓に映像が流れる。


地上に残った人達の……化け物達との戦いの映像が。


人間が……化け物に押し負けている?


その中に……何人か知っている顔が映った。


雪子さんが、全身血塗れになりながらもルークの群れと戦っている。


左腕を失い、回復する間もないといった様子で飛び回り、攻撃を仕掛けるけど……迫り来るルークの猛攻を避け切れずに、地面に叩き落とされて。


巨大な足が、雪子さんを踏み付けたのだ。