殺戮都市~バベル~

怒りに任せて振り下ろした日本刀。


だけどそれは、柱を僅かに傷付けただけで、表面を撫でて動きを止めた。


何度かやれば、この柱を破壊出来るかもしれない。


そう思って、再び日本刀を振り上げた時だった。










「主への攻撃はやめなさい。高山真治」








背後から……そんな声が聞こえて、慌てて振り返った俺は、ありえないその声の主の姿に息を飲んだ。


クイーンが……銀色の女性が、傷一つない状態で、俺の目の前に立っていたのだから。


「くっ!な、なんで無傷なんだ!」


沼沢が、吹雪さんが、恵梨香さんが、その身を犠牲にして繋いでくれて届いた一撃だったのに……。


「完全なる者よ、新たな世界の主の素質を見せた者よ。私に、あなたを攻撃する意思はもうありません」


日本刀を構えた俺に、クイーンが随分と都合の良い事を言う。


散々攻撃をしておいて……皆を殺しておいて、よくもまあそんな事を言えたもんだ。


「新たな世界の主の素質だと?そんな物はいらない!いらないから……今までに死んだ人全員を生き返らせて、元の世界に戻せよっ!この街に連れて来たくらいだ、その逆くらい出来るだろ!」