殺戮都市~バベル~

刃が、クイーンの身体を切断する。


それは、今までとは違う手応え。


衝撃波を放った直後に、守りが弱くなるという推測は当たっていた。


胸から頭部……縦に裂けたクイーンが、ゆっくりと倒れる。


それを見て、床に着地した俺は、呼吸を整えながら目の前の光景を理解しようと頭を働かせた。


クイーンは倒した。


俺に攻撃させる為に、トンファーを振ってくれた恵梨香さんは……吹雪さんはどこだ?


さっきまでいた二人の姿が見えない。


トンファーに押されて、ダメージを受けたのであろう、ズキズキと痛む足を引きずり、俺は窓際へと歩いた。


トゲのオブジェが柱にぶつかり、動きを止めている。


恵梨香さんと吹雪さんは……無事だろうかと、トゲのオブジェを見てみると。











そこには、トゲに貫かれた吹雪さんがいた。









あの時……衝撃波が放たれた時に、転がったトゲのオブジェ。


それが恵梨香さんに襲い掛かって……吹雪さんは助けようとしたのだろう。


動かなくなった吹雪さんの姿を見て、深い悲しみが俺を襲う。


何もする事が出来なかった……どうすれば助けられたかもわからなくて、その後悔さえも出来ずに。


悲しいのに、仲間が死にすぎて、涙も出なかった。