殺戮都市~バベル~

「沼沢……なんで俺を庇ったんだよ!そんな暇があるなら回復しろよ!!」


目の前で、血を流しながら立ち尽くす沼沢に怒鳴り付ける。


レベルが半分になったから、役に立たないと思って、俺を庇ったのか?


だとしたら、命を投げ出さずにジッとしていてほしかった。


トゲに磔けられた沼沢を見ているのは辛い。


部屋の中央にある、主と呼ばれる人物がいる柱に隠れ、俺は最後のガチャを引く為に、光の渦の中に手を入れた。


手を握ると、確かな感触がある。


そして、一気にそれを引き抜いた俺は……妙な物を見たのだ。













「よう、面白いやつと戦ってるじゃないか。俺も仲間に入れてくれないか?」












これは俺が見た幻か……それとも、こうあってほしかったという妄想なのか。


ここにいるはずのない男が、俺の前に現れたのだ。









「さあ、それをお前の日本刀の強化素材にしなよ。まだまだ足りないんだよ。満足するまで……戦おうぜ!」







そう言って、俺に拳を突き付けたのは……黒井だった。


慌ててそれに応えようと右手を上げると、黒井の幻影は消えて……手に握られたランスが、姿を現したのだ。