殺戮都市~バベル~

そんな俺の頭上を飛び越え、吹雪さんが上方から、曲刀をクイーンの頭部に振り下ろした。


吸収でもされているのか、直撃しても音一つしない。


刃は通らず、クイーンの表面で動きを止めていると言うのに。


「うわっ!何こいつ気持ち悪っ!一体どうなってんの!?」


「単純にパワーが足りないのだ!私がやる!退けっ!」


吹雪さんの背後から、恵梨香さんが迫る。


力を溜めるかのように振りかぶったトンファーを、クイーンの頭部に力いっぱい叩き付けた。


それでも、微動だにしないクイーン。


俺達の渾身の攻撃を受けても、何事もないようにそこに立ち続けるその姿は……異様という以外に何かあるだろうか。


「弱者に得られる物など何もない。お前達は弱いのだ。そんな脆弱な牙では、私には届かない」


そう言った次の瞬間、クイーンの身体から、トゲのような物が飛び出したのだ。


その姿はまるでウニか毬栗か。


咄嗟に日本刀で防御して、この攻撃で後方に弾かれた俺は無傷だったけど、沼沢と恵梨香さんはトゲを食らったみたいで、肩から、脚から、血が飛び散っていた。


「何なんだこいつは!俺の牙が脆弱だと!?ナメるなよ!」