殺戮都市~バベル~

武器を構える俺達を前にしても、こちらを見ているだけで動こうともしない。


「こいつがクイーンか。女王と言う割に、随分簡素な容姿だな!」


敵意も殺意も感じない……。


この不気味な人間を前に、恵梨香さんもどう対応して良いかわからない様子だ。



「答えろ。何の用があってここに来た。いたずらに主の眠りを妨げるつもりで来たのなら……排除する」


そう言って、俺達に掌を向けた銀色の女性。


それと同時に、衝撃波のような物が俺に襲い掛かった。


これは牽制なのか、僅かに俺達を後ろに押した次の瞬間。


このフロアを取り囲むガラスが割れ、塔の下へと落下していったのだ。


「お、俺達はここに何があるのかは知らなかった!だから、ここに来れば元の世界に戻れるんじゃないかって、そう思って来ただけだ!」


こいつは返答を求めている。


何も知らないのに排除されてはたまらないと、俺はここに来た目的を話した。


それを聞いて何を思ったのか、その表情からは読み取れない。


だけど、頭の中に響くような声で銀色の女性は返答したのだ。








「ここには主しかいない。元の世界に戻りたくば、敵のキングを破壊しろ。弱者が得られる物はここには何もない」









ここまで来たのに、その言葉はあまりにも無情な物だった。