殺戮都市~バベル~

周囲の目を気にしつつも、近くのビルの花壇に腰掛けて、戦闘が開始されるまでの間、俺達はこの、内藤大地という男と話をしていた。


「そうか、たかぴーとおぐりんか。俺の事は内藤大地だから、好きなように呼んでくれ」


た、たかぴーとおぐりん……。


よりによって、高山と小倉から取ったか。


まあ、別に何と呼ばれようと構わないんだけど。


「え、えっと……内藤さんはどうしてそんな格好をしているんですか?」


この人と何を話して良いかわからない。


そんな様子で、奈央さんが恐る恐る尋ねた。


俺も気になっていたけど、怖くて聞けなかった事を。


内藤さんは、聞かれたくなかったのか、衣装の股からタバコを取り出すと、箱から一本取り出してくわえ、火を点けて遠い目をした。


フウッと吹いた煙が、物悲しさを醸し出している。


「……約束なんだ」


「は?や、約束?」


こんな格好をしなきゃならない約束なんて、一体どんな約束なんだよ。


「カラオケで、帰るまでこのコスプレをしたままだったら、ハグしてくれるって言ったんだよ!!そしたら、この格好のままでこの街に呼ばれて!!……俺のカラオケはまだ終わっていないから、こうしているわけさ」


……どうしよう。


想像以上にくだらない理由だったぞ。