殺戮都市~バベル~

「し、真治君、見ちゃダメ!わ、私達は二人で行動するから結構です……」


あまりに奇妙な男に、奈央さんが慌てて俺を庇う。


「おおう……美しい女性だ。ペロペロしたい」


……まずい、本当に変態だ。


迂闊に返事するんじゃなかった。


もしかすると、奈央さんを狙う為に、わざと俺に声を掛けたのかもしれない。



「おい、なんだあの変なやつは」


「知らねえのか?あんな格好してて、かなり強いんだぜ?」


「やだー、キモーい!」


「なんでわざわざあんな格好してるわけ!?信じられないんですけど!」


周囲の反応は様々だ。


しかし、そんな声もこの男には届いていないようで。


「俺の名前は内藤大地!ボーイの名前は?何なら、そっちのお姉さんだけでも……ハァハァ」


完全に我が道だな。


だけど……この街にいて、こんなおかしな人と出会うなんて思わなかったな。


思わず、プッと笑ってしまった。


「奈央さん、なんか悪い人じゃないみたいですし、名前くらい教えても良いんじゃないですか?」


「ま、まあ…… 同じ軍だし、先に名乗られちゃったしね。敵だったら絶対に殺すけど」


少なくとも、この男は、俺には敵意があるようには感じられなかった。