殺戮都市~バベル~

「くうぅ……胸が熱くなって、涙が出てくるわい!」


年を取って、涙脆くなっているのだろう。


マントで涙を拭い、集結する人達の群れを見るおっさん。


「ほら、真治君。かなーり時間には早いけど、皆を奮い立たせてくれるなら一言を頼むよ?」


そう言って、俺の口元に寄せられた菅のPBM。


もう、ここまで来たら言う事なんてない。


俺の想いを伝えるだけだ。







「皆、戦ってくれ!何が起こっているのかはわからないけど、このままでは化け物に街を支配されてしまう!俺達は、化け物の餌になってしまう!北軍も戦いを始めてる!決して俺達だけが戦っているんじゃないんだ!これは、未来を、希望を掴む為の戦いだ!」







俺がそう言い終わると、南軍の人達から歓声が上がった。


今の陳腐な発言で良かったのかどうかはわからない。


でも、今の気持ちをしっかり言えたはず。


「未来と希望を掴む為の戦いね……良いねえ。僕は好きだよそういうの。真治君に、僕の命を預けるよ」


「わ、私は……夏美ちゃんが行くって言ったから、仕方なく手伝うだけだから。黒井さんを殺した人に協力なんてしたくないけどさ」


菅も月森も、一緒に戦ってくれる。


多くの人達が立ち上がってくれて、この戦いに加わってくれる。


それなら俺に、もう不安はない!