殺戮都市~バベル~

俺は……強いわけではなく、強くしてもらったんだという思いの方が強い。


そんな事を話しているうちに、その時間はやって来た。










『戦闘開始です』








そのアナウンスが流れたけど……ここにいるのは、俺達三人だけ。


いつもなら総力戦が始まって、騒がしくなる街も、人の声は聞こえない。


全ての軍が、連合軍に参加したからか、他軍に攻め入る人はいないのだろう。


「うーん、来ないのう。戦闘が始まってしまったわい」


「急に呼んだからな。物好きが30%集まれば、それでも奇跡だと思うしかないだろ」


おっさんも三笠も、来ないのが当たり前といった様子で、南軍の街の方を眺めている。


反黒井の人達も、こんなに集まりが悪かったのだろうか。


「こうしている間にも、化け物はどんどん増える。俺達だけでもこいつらをどうにかしよう」


日本刀を取り出して、戦う決意をした俺に……背後から、光の壁を越えて戦闘を始めるような人の声が聞こえたのだ。


これは……塔の向こう側から聞こえている?


東軍や西軍にしては声が遠いし、状況を知らせた恵梨香さんが、戦闘を開始したのだろう。