殺戮都市~バベル~

北軍に向かって駆け出した恵梨香さんを見送り、俺も南軍側の光の壁の切れ目へと走る。


すでに、その位置までポーンとナイトがいて、こいつらを倒すか、飛び越えるしか移動手段がなくなっているほどに。


「どれだけ増えるんだよ!後13時間も持つのか!?」


日本刀を振り、斜め下に構えた俺は、化け物の群れに向かいながら考えた。


もしも、この調子で増え続けて、中央部から押し出される形になったら、それぞれの軍にまで化け物が溢れ返る事になる。


そうなれば、一対一でポーンを倒す事が出来ない人間が食われる可能性が極めて高くなるのだ。


接近した俺に気付き、数え切れないほどのポーンがこちらを向く。


人間の顔が残るポーンが多いから、恐ろしく不気味に見える。


「そこをどけよ!お前らに構ってる暇なんてないんだよ!」


だったら少しでも数を減らそうと、最前列にいるポーンに斬り掛かった。


腕を振り、横一文字に日本刀を振るう。


ポーンの腹部を斬り裂く一撃。


それが、刀身の二本分の範囲にいる、ポーン達の上半身と下半身を分断したのだ。


その、見えない刃の範囲に驚き、一瞬目を疑う。


だけど、これがレベル98の日本刀なのだと思えば、なんら不思議ではなかった。