殺戮都市~バベル~

そして、恵梨香さんと戻って来た中央部。


「な、なんだ……これ」


そこで俺達は、信じ難い光景を目にしたのだ。


白い巨大なバベルの塔。


地上から20メートルほど上にある穴から、一匹、また一匹と、ポーンやナイトが排出されていたのだ。


完全なポーンではなく、鬼頭や亜美がそうだったように、人の顔が残っているやつがほとんど。


その数の多さに、中央部はポーンとナイトで溢れ返り、見た事もないほどの化け物の軍勢が出来上がろうとしていた。


「なんだ……この数は。今までこんなにいた事がなかったのに……これではまるで、我々の行動を知っているみたいではないか!」


バベルの塔……人間の驕りから作られた塔。


天に届き、神にさえなり得ると思ったのだろう。


そんな人間に神は怒り、言語を分けて建設が出来なくした。


そのバベルの塔とは形状は全く違うけど、天に届く、このバベルの塔を作ったのは……。


その塔を登ろうとしている俺達は、これを作った創造主の怒りに触れたのだろうか。


そう思ってしまうほどの化け物の数だ。


「少年、すぐに南軍に戻り、この事を伝えろ。状況によっては、開戦の時間が早まるかもしれないぞ」