殺戮都市~バベル~

戦う事が生きる事、生きる為に人を殺して、強くならなければ殺される。


恵梨香さんや名鳥達は、長い時間を掛けて強くなっただろう。


俺の成長は異常に違いない。


だけど、それが出来るのがこの街のシステムなんだよ。


運良く強い武器を手に入れた人間は、他の人とはスタートラインが違って、その武器を強化する事だけに時間を費やせる。


そして、決闘に勝利して高額の賞金を手にすれば、信じられないくらいの早さで強くなる。


俺がそのタイプ。


極力決闘は避けて、その日食えるだけの金を手にすれば良いと考える人達の成長は遅い。


全ての人が、同じ速度で強くなるわけでもないし、過去にキングが破壊されていたなら、弱体と強化を繰り返すという事になる。


俺は、一度も南軍のキングが破壊されていないから、レベルが下がる事がなかった。


運が良かったんだよな。


そんな風に、戦いに明け暮れたいなら、何も考えずに殺し合っていれば良い。


他軍のキングを破壊すれば、元の世界に戻れるという、明確な目標に向かって戦い続ければ良い。


俺は……それをするには色んな人と知り合いすぎて、誰にも死んでほしくないと思ってしまった。


だから、都合が良いと言われようと、根拠がないと言われようと、塔の頂上に行けば、皆が戻れるという希望にすがりたい。