殺戮都市~バベル~

「じゃあ、私達は行ってくるから、一馬と明美も無理しないでね。戦闘が終わったら戻って来るからさ」


「あ、ああ……少しでも厳しいと感じたら、すぐに引き返すんだぞ」


戦闘開始予告が流れてから移動したのでは、到着する頃には総力戦が終わってしまうかもしれない。


開始と同時に侵攻してみたい。


その為に、俺と奈央さんはアナウンスが流れる前に西軍側の光の壁へと移動する事にした。


「あーあ、奈央は本当に行っちゃうんだ。新崎さんは弱いし、真治君はビビりだし、まともなのは奈央だけだったのに」


本人を目の前に、辛辣な言葉を吐き捨てる明美さん。


「は、はは……が、頑張って守るからさ」


二人を見捨てて真っ先に逃げ出した人の言葉とは思えないけど、新崎さんしかいないんだから、信じるしかない。


「が、頑張って来ます」


そう言い、二人に手を振って、俺と奈央さんは西軍に向かって歩き始めた。


次の総力戦は、俺達には圧倒的に不利な戦いになる。


それは覚悟の上だ。


人を殺す事に抵抗がある俺が、選ぶべき道ではないのかもしれない。


それでも……安直だけど、強くなる近道は、守りよりも攻めだと感じたから。