殺戮都市~バベル~

そして辿り着いた、理沙が眠る公園。


小さな丘へとやって来た俺達は、そこに置かれていた花に気付いた。


「……花だ。東軍にはこんな花も咲いてるんですね。太陽なんて出てないのに」


「東軍は自然の多い街だからな。中には少しの光でも綺麗に咲く花もあるのだろう」


そうかもしれないな。


いつから置かれているかわからないけど、こうやって誰かが花を供えてくれているのは嬉しく思えるよ。


そんな事を考えていると……一人の女性が息を切らせて俺達の前に現れたのだ。








「ハァ……ハァ……相変わらず疲れるねえ。私ももう少し運動しなきゃダメかね」









手に花を持って、俺達に気付いていない様子の大柄の女性が呟く。


その女性を見て、恵梨香さんが慌てて俺の前に立つ。


俺を抑えようとしているのか、その女性を守ろうとしているのかはわからない。


ゆっくりと顔を上げた女性は……俺の顔を見て、驚きの表情を浮かべたのだ。


「あ、あんた……南軍にいるはずじゃあ……」


香月えり。


理沙を殺した張本人が、どうしてここに来たんだ。