殺戮都市~バベル~

大した用事でもないのに、恵梨香さんはどうして付いて来ようとしているのか。


居酒屋を出て、二人で歩いていてもついつい意識してしまう。


吹雪さんめ……余計な事を言うから。


「どうした?私の顔に何か付いているか?それとも寝ぐせとか……」


「い、いや。そうじゃないですけど……別になんでもありません」


「おかしなやつだな」


その言葉に反論すら出来ず、俺達は街の中央部に向かった。


特に何も話をする事なく、ポーンやナイトが蠢いてるその場所までやって来た。


「懐かしいな。少年と二人で初めて東軍に行った時の事を思い出す。あの時はまだ、ナイトに手も足も出なかったが……」


「行きましょうか。何が来ても、もう負ける気がしませんから」


そう言って日本刀を取り出して、俺は駆け出した。


恵梨香さんもトンファーを手に、俺の後に続く。


それにポーンやナイトが気付くけど、その時にはもう、俺達は光の壁の切れ目に到達して、東軍に入る為に折り返していた。


いつもよりポーンの姿が多いような気がするな。


中央部の様子に少し違和感を覚えたけど、それでも大した問題じゃない。


俺と恵梨香さんは、ポーンどころかナイトにも追い付かれる事なく、東軍に入った。