殺戮都市~バベル~

「あの……恵梨香さんは北軍に戻らなくても良いんですか?皆戻ったと思いますけど」


別に一人になりたいわけじゃないけど、あまりにものんびりしている恵梨香さんを見ていると、それで良いのかと思ってしまう。


「む?今更準備も必要あるまい。全軍通信が出来る人間は、吹雪も緑川もいるからな。私がいなくとも、北軍は大丈夫だ」


「あ、そ、そうですか」


人の事より自分の事を心配しろと言われているような気分だ。


「それより少年はどうするつもりだ?残りの時間、何かする事はあるのか?」


そう言われても、俺も特にする事はないんだよな。


菅がいなければ、全軍通信も出来ないし、後は南軍の人達が集まってくれるのを待つ事くらいしか。


だったら、バベルの塔に行くまでに行っておきたい場所がある。


「んー……東軍に行ってみようかと思います」


「ほう?今更東軍に行って何をするというのだ?」


「理沙の所に行こうかなって。俺が死んで、100日以上経ったなら、長い間放置してたって事じゃないですか」


俺がそう言うと、恵梨香さんが真面目な顔でこちらを見る。


何か、おかしな事を言ったかと思ったけど……。


「そうか、ならば私も同行しよう」


そう言って、髪を掻き上げて立ち上がった。