殺戮都市~バベル~

しばらく黙祷して、目を開けると、隣にいたはずの吹雪さんがいない。


「あれ?どこに……」


と、辺りを見回してみると……今までいた左側ではなく、右の方で首を傾げて立っていたのだ。


「少年少年、こんな所にこんなお墓があるんだけど……誰が作ったの?」


不思議そうに尋ねた吹雪さんに駆け寄って、その墓を見てみると、墓標に彫られていた文字。









荒獅子、ここに眠る。







西園寺のおっさん……。


恵梨香さんから、遺体を回収したって聞いていたけど、黒井の墓も作ったのか。


あのおっさんらしい。


「これは、西園寺のおっさんが作ったんですよ。ほら、バーコードハゲの。奈央さんのお墓も、あの人に作ってもらったんです」


「へぇ。あのバーコードハゲがねぇ。良いとこあるねっ!あれで良いとこなかったら、ただのハゲだよ」


吹雪さんは辛辣だ。


ただのハゲって事はないだろう。


強いハゲとか、あのバーコードは1000円って表示されそうとかさ。


まあ、この際おっさんの話はどうでも良い。


「黒井さん、俺達はバベルの塔に行きますよ。頂上に何があって、俺達はどうなるのか……見ててくださいよ」


多くは語らず、ただそれだけ言って、俺はここを後にした。