殺戮都市~バベル~

演説とは名ばかりの、俺の小学生並の決意表明は終わった。


緊張が解けた今になって、ようやく何を言うべきだったか思い出して、その場に腰を下ろして自己嫌悪に陥る。


「……稚拙ね。だけど、私は嫌いじゃなかったわ。真治君の等身大の想いが感じられたから」


「はは……ありがとう、狩野。やっぱり稚拙だったよなあ……俺なんてこんなもんだよ。連合軍のリーダーなんて器じゃないんだって」


こんな事になるなら、演説の内容を紙にでも書いておけば良かったよ。


「まあ、良いんじゃないの?真治君の優しさが出てたと思うよ?まあ、24時間後に人が集まるかはわからないけど、バベルの塔に向かうのに変更はないんでしょ?」


失敗した時に慰められると……泣きそうになるよな。


菅の言う通りだ。


泣いても笑っても、24時間後にはバベルの塔に向かう。


それまでに準備を整えて、心残りがないようにしなくては。


黒井を倒して、手に入れた賞金で買ったバトルチケット。


武器の強化もしっかりしないと、あの白い塔の中には何が待ち構えているかわからないのだから。


「じゃあ、皆の所に戻りましょう。まだ話をしなきゃいけないでしょ?」


狩野に促されて、座ったばかりの俺は立ち上がり、小さく頷いた。