殺戮都市~バベル~

そう言って、菅が俺に歩み寄り、PBMを取り出して通信機能をオンにする。


「ほら、言ってやりな。俺が黒井を倒した高山真治だってね!」


『ほら、言ってやりな。俺が黒井を倒した高山真治だってね!』


俺のPBMからも菅の声が聞こえて、南軍の全ての人間に通信が繋がっているのがわかった。


道行く人達も、自分のPBMを確認して、菅の声に耳を傾ける。


よし、言うぞと菅のPBMを手に取ったけど……。


あれだけ考えて、覚えたはずの文言が、頭の中から綺麗さっぱり抜け落ちていたのだ。


「あ、あー……えっと。そのー」


ダメだ!


パニックになってしまって、何を言っていいかわからない!


俺は昔からこうなんだよ!


運悪く縄跳び大会の選手宣誓に選ばれた時だって、短い内容を忘れて固まってしまったり。


俺はダメな人間なんだ!


と、自己嫌悪に陥っている俺に、菅と狩野が同時に肩を叩いた。


「真治君が言いたい事を言えば良いのよ」


「想いをぶつけなよ。連合軍のリーダーとしてじゃない。真治君としての言葉をさ」


震える俺を、二人が救ってくれた。


緊張はあるけど……少し安心したから、今なら言えそうな気がする。