殺戮都市~バベル~

そんな話を聞きながら弁当を食べて、窓の外を見て俺は考えていた。


死神と吹雪さんは、まだ南軍にいるのかな。


きっとあの二人は、南軍の俺よりも南軍の事を知っているんだろうな。


俺は……敵軍どころか、自軍の事も知らない。


さっきのコンビニでの事もあるから、無意味に出歩かない方が良いだろうけど、それじゃあ何も知る事が出来ないしな。


「そう言えば、新崎さん達は西軍に行った事はあるんですか?東軍の人達が南軍に来れるなら、俺達だって西軍に行けるんですよね?」


「西軍には行けるけど……俺達は南軍の防衛がやっとだよ。侵攻した事はないな」


そうなんだ?


でも、その理由はわかるかな。


総力戦で初めて遭遇したひと組目は、不意打ちで仕留めたようなものだし、攻めるより待ち構える方が有利に戦えるはずだから。


「行ってみようと思わないんですか?俺、他の軍も見ておきたいかなって」


俺の言葉に、「うーん」と唸る新崎さん。


快く賛成してくれないところが、これの困難さを教えてくれる。


「運が悪ければ、光の壁を抜けた瞬間、矢の集中砲火を食らうよ?どこに敵が潜んでるかもわからないし……死ぬ確率は防衛戦よりもずっと高くなるわね」