殺戮都市~バベル~

「その塔に行く理由とやらを聞かせてもらおうか。元の世界に戻れるかもしれないという希望ではない、お前の想いを」


睨み付けるような視線を俺に向けて、下手な事を言えば矢で射抜くと言わんばかりの大友。


想い……俺が考えている事は昔から変わらない。









「大切な人と……元の世界に戻りたいじゃないですか。この街で知り合った人がいて、元の世界でまた会いたいって、ただそれだけです」









言葉にすると、随分単純に思えてしまうな。


なんだか、上手く説明出来ないのが恥ずかしい。


「……子供だな。そんな馴れ合いに多くの人間を巻き込もうとしているのか。話をするだけ無駄だった。せいぜい足掻いてみせろ」


目を閉じて、首を横に振った大友は、それ以上語らず。


菅と月森を連れて、人の群れの中に消えて行った。


……言葉を間違ったかな。


だけど、俺の想いは伝えられたと思う。


元々あの三人は黒井の仲間だ。


その黒井を殺した俺を、良く思っているはずがないんだよな。


「少年。私はその想い、好きだぞ。最初は甘いと思ったが、それが少年の強さになっているのだからな」


恵梨香さんは理解してくれている。


それだけで良かった。